小鳥先輩家宝を手に入れる。

小鳥先輩である。

小鳥先輩は本日、実に20年ぶりに歯医者に行った。
親知らずである。
親知らずを抜きにいったのである。
ヌきにいったのではない。
ヌけるところにいけるもんならいきたい。

小鳥先輩はもし一日だけ男になれたら・・・という
使い古された質問に惑うことなくこう答える。


トルコ風呂


歯医者の顛末としては、親知らずではない歯を削ってもらってことなきを得た。
親知らずが原因と思われた噛み合わせの気まずさであったが
原因は、ちょっと伸びちゃってる他の歯にあったらしく、
それをギギーっとやったらあっという間にお口に広がる不快感が和らいだのである。
小鳥先輩はこのお口に広がる不快感を実に半年ほと口内に蓄えていた。


例えるならそれは
「お口に頂戴!」
と自らねだったにも関わらず
その鼻を抜けるあまりの芳香に我慢ならず、洗面所に駆け込みペッっとやって
それでもしぶとく残る臭みに耐え切れず、
冷蔵庫の冷えたPEPSI NEXを勢いよくゴクゴクっとやったもんだから、
コントロール不能な状態でゲフっとゲップを発してしまった時のような。
もっと言えば、
今のゲップ聞こえてたかしら?と振り返れば
ベッドサイドで股間にこびりついたティッシュを一生懸命取り払おうとする雄の尻が震えている。

そんなシーンを取り巻く気まずさ、および不快感が半年ずーっと、24時間365日小鳥先輩の口内を占拠していたのである。


これぞまさに「乾く暇がねぇ!だな」と
小鳥先輩は自らの口内を第三者のごとくせせら笑って誤魔化してきたのである。


見てみぬふりは大人にしかできない上等なスキルである。
小鳥先輩は、その姿勢を自らの口内に対して貫いてきたのである。


立派!小鳥先輩は立派!


まぁ、なんだかよくわからないが
口コミ頼みで行った新橋の歯医者さんは
若干日本語が不自由そうであったが、ものすごーく親切で
チョビりそうになりながら、抜歯覚悟で訪問した小鳥先輩を
想定外の処置方法で救ってくれた。
あげく「今度来たとき歯の磨き方教えます。」とまで言ってくれてた。


万歳!大熊歯科!万歳!先生の顔半分ぐらいあるおっきなメガネ!


親知らずを抜かないで済んだので、小鳥先輩は浮かれて高円寺のゲルマニウム温浴に行った。
さらにドッグベリーでお茶をして、ドラマで古本を買いあさった。



小鳥先輩はこう見えても昔は筋金入りのオリーブバードだったのである。
マガハ信奉鳥だったのである。


小鳥先輩はこう見えても別マ愛読者だったのである。
いくえみ綾先生は小鳥先輩の、長く、くさく、つらい女子高時代を支えた陰の功労者である。


おやおや・・・

タモさん!!
小鳥先輩はこのタモさんロングインタビュー号の宝島を家宝にしようと決めた。
小鳥先輩は家宝を奉るための神棚を買わなきゃいけない
とネットオークションに勤しみながら、
最後に「お口に頂戴!」と発したのは何年前だろうか・・・
と羽毛を散らしながら考えているところである。